よく使うGitコマンドまとめ
# Git のコミットメッセージ
# 基本的なコマンドと意味
# Branch
Git におけるブランチとは、
どういうときに使うかというと、例えば新しい機能をつけるときにオリジナルに手を加えて作業してしまうとプッシュしたときにどんどんmaster
ブランチが更新されてしまい、機能が完全に実装できていない中途半端なものがmaster
として公開されてしまう問題が発生します。
master
ブランチは常にビルドが通り、本番環境として利用可能であるべきです。
なので開発中は例えばdevelop
ブランチのような開発用のブランチを更新するようにし、実装ができたタイミングでmaster
に反映させるのが良いです。
これについてはより良い GitHub のブランチの運用手法がGit-flow って何? (opens new window)で解説されているのでこれを読むと良い気がします。
自分も参考にしようと思いました。
# ブランチの作成
git branch <Branch Name>
で新たにブランチを作成することができます。
# ブランチの切り替え方
作業しているブランチを切り替えるには、git checkout <Branch Name>
のコマンドを入力します。
ただし、このコマンドでは存在しないブランチに切り替えることができません。
どんなブランチが存在するかはgit branch
でチェックすることができます。
* develop
master
production
例えば次のように表示された場合、ローカルにはdevelop
, master
, production
の三つのレポジトリがあり、現在develop
で作業していることがわかります。
ブランチを新たに作成して、そのブランチに切り替える場合にはgit checkout -b <Branch Name>
を実行すればよいです。
# Merge
git merge
は別ブランチの内容を別のブランチに反映させるためのコマンドです。
develop
ブランチで開発していた機能が完成し、それをmaster
ブランチに反映させたい場合などに使われます。
今回は図のようにdevelop
ブランチの G という変更を master に反映させたい場合を考えます。
git checkout master
git merge develop
マージ先に移動してから、マージ元に対してmerge
する必要があります。マージの際にはマージコミット(F
)と呼ばれる特別なコミットが作成されます。
このときF
はC
の変更もD
, E
の変更も含まれています。
# Fetch
git fetch
はリモートの最新の情報をローカルに反映させるためのコマンドです。
ただし、master
ブランチに反映されるのではなくorigin/master
に反映されます。master
とorigin/master
が何が違うのかという問題なのですが、大雑把にいえば以下のような構造になっています。
つまり、git fetch
をした段階ではまだmaster
には反映されていないということになります。
# エラーが発生したとき
git fetch
後にビルドが通らなくなったなどのエラーが発生した場合には、まだローカルのmaster
ブランチは更新されていないので、git reset --hard HEAD
で最後にコミットしたところまでファイルを巻き戻してなかったことにします。
# Pull
git pull
はgit fetch
とgit merge
を組み合わせたコマンドです。
これを実行するとremote master
の内容が即座にmaster
ブランチに反映されます。
# --rebase オプション
git pull
は本来はgit fetch + git merge
なのですがgit merge
は同じファイルを編集していた場合にコンフリクトが発生するという問題があります。
よって、単にmerge
するのではなくてmaster
ブランチでの更新点をローカルレポジトリにくっつけてから反映させたいわけです。こうすればブランチが綺麗なまま残りますし、何よりコンフリクトが発生しにくいです。
なので、同一のブランチで作業している場合はgit push
する前にgit pull --rebase
をしたら作業が減って楽になりやすいということです。
# エラーが発生したとき
git pull
でエラーが発生するのはコンフリクトが発生した場合だと思うのですが、その場合はまずgit merge
の部分を取り消したいので、
git merge --abort
git reset --hard HEAD
というように二つのコマンドで対応します。
# Rebase
git rebase
は作業が完了したブランチを分岐元のブランチに延長するときに使う機能です。
この図でいうと G の地点でgit rebase master
のコマンドを入力すると、その時点でのmaster
ブランチの先頭に対して現在のブランチの最も古いブランチがくっつきます。
git checkout develop # developブランチに移動
git rebase master # DにCをくっつける
これでdevelop
ブランチは図のように一直線(fast-forward)になったので、その変更をmaster
ブランチに反映させます。
git checkout master
git merge develop
このときE
はC
の変更も含まれています。つまり、マージした場合と内容は変わらないので最終的な統合結果には差がありませんが、リベースのほうがよりスッキリとした歴史になります。
git merge
がブランチの合流であるのに対して、git rebase
はmaster
ブランチに現在のブランチを直列につなげる効果を持ちます。別ブランチの作業をmaster
に反映させるという点はmerge
と同じですが、merge
はコミットメッセージが失われてしまうのに対して、rebase
の場合は個別のコミットメッセージが保存されるという違いがあります。
`git rebase`の恐怖
git rebase
は作業ブランチで実行するためのコマンドです。master
ブランチでこれを実行すると他のブランチが全てmaster
ブランチにくっついてしまいます。
# Log
過去の変更を確認します。
$ git log
commit 8bdd9cd163fed7442330d1535f5b4afff29665b1 (HEAD -> master, origin/master, origin/HEAD)
Author: tkgstrator <nasawake.am@gmail.com>
Date: Tue Jul 13 10:55:13 2021 +0900
- 記事の追加
commit 2361ec0ed7233a293c49ff1e5c6570ef61129fc3
Merge: 987f0db 02f84c2
Author: tkgstrator <nasawake.am@gmail.com>
Date: Fri Jul 9 13:27:30 2021 +0900
Merge pull request #30 from skmtie/master
- 記事の追加と修正
commit
の隣に表示されているのがハッシュ値で、これは次に紹介するReset
をする際に必要になります。
この画面を閉じるのはEsc
ではなくq
ですので覚えておくと良いでしょう。
$ git log --oneline
8bdd9cd (HEAD -> master, origin/master, origin/HEAD) - 記事の追加
2361ec0 Merge pull request #30 from skmtie/master
02f84c2 - 記事の修正
a906c40 - 記事の追加
987f0db - 記事の追加
65c7e97 Merge pull request #29 from skmtie/master
ログの一覧を見たい場合は--oneline
のオプションが利用できます。短いですがこちらのハッシュ値も使えます。
# より詳細のログ
git log
は現在の状態よりも過去のログしか見ることができません。
$ git reflog
8bdd9cd (HEAD -> master, origin/master, origin/HEAD) HEAD@{0}: commit: - 記事の追加
2361ec0 HEAD@{1}: checkout: moving from assets to master
f1e8a5e (origin/assets, assets) HEAD@{2}: commit: - 透過PNG用のブランチ
2361ec0 HEAD@{3}: checkout: moving from master to assets
2361ec0 HEAD@{4}: pull: Fast-forward
6ed0dd4 HEAD@{5}: commit: - コメントの修正
621b01f HEAD@{6}: commit: - 記事のタグが誤っていた問題を修正
6ad9a72 HEAD@{7}: rebase finished: returning to refs/heads/master
より詳しい情報を見たい場合はgit reflog
を利用します。
このコマンドはgit reset
を誤って実行した場合に必要になってきます。
# Reset
なにかやらかしてしまってそれを取り消したい場合に使います。
8bdd9cd - D # 誤ったコミット
02f84c2 - C
a906c40 - B
987f0db - A
誤ったコミットがまだプッシュされていなければローカルでこっそり修正すれば済みます。
ここで、D
のコミットの変更内容が必要かどうかで対応が変わってきます。
D
のコミット内容が必要、コミットをなかったことにしたいD
のコミット内容は不要、C
の状態に戻したい
# Soft
1 の場合がコレに該当します。コミットだけ巻き戻し、ファイルは変更しません。
git reset --soft 02f84c2 # Cのコミットのハッシュ値を入力
また、一つ戻すだけであればハッシュ値を使わずに以下のコマンドも利用できます。
git reset --soft HEAD^
HEAD
と入力するのがめんどくさければ代わりに@
も使えます。
git reset --soft @^
# Hard
巻き戻した位置のファイルの状態に変更します。
使い方はSoft
の場合と同じですがオプションとして--hard
を指定します。
# 戻しすぎた場合
Soft
でもHard
の場合でも戻しすぎた場合には未来のコミットは見えないという制約からgit log
では戻したいコミットを確認することができません。
$ git reflog # 戻したいコミットを確認
git reset --soft # ハッシュ値を指定
その場合はgit reflog
で全てのログを確認することで対応できます。
# 名前・メールアドレス変更
Git にプッシュするときの Committer の名前やメールアドレスを変更しておきましょう。
# グローバル
グローバルの設定は各レポジトリの gitconfig に対して何も設定していなかった場合のデフォルト値です。
git config --global -e
で設定ファイルがひらくので、
[user]
name = tkgstrator
email = nasawake.am@gmail.com
[core]
...
の[user]
の項目を編集しましょう。またvi ~/.gitconfig
でも同様の効果が得られます。
# ローカル
各レポジトリに対するユーザ名とメールアドレスを変更したい場合はこちらを利用します。
例えば A というレポジトリには X という名前でプッシュしたいけれど、B というレポジトリにはは Y という名前でプッシュしたい場合にレポジトリごとに設定をわけたいというような場合があるからです。
コマンド自体は簡単で、git conig -e
とすればローカルの設定ファイルがひらきます。
例えば、この HP のソースコードを管理しているレポジトリの設定はこんな感じです。
[user]
name = tkgstrator
email = nasawake.am@gmail.com
[core]
repositoryformatversion = 0
filemode = true
bare = false
logallrefupdates = true
ignorecase = true
precomposeunicode = true
[remote "origin"]
url = git@github.com:tkgstrator/vuepress-blog.git
fetch = +refs/heads/*:refs/remotes/origin/*
[branch "master"]
remote = origin
merge = refs/heads/master
# コミットの内容を変更
# プッシュしていないコミットの変更
コミットはしてしまったが、プッシュはしていない場合にはgit config -e
で設定を変更した後に以下のコマンドで変更を取り込むことができます。
git commit --amend
これだと Commiter しか変更できないので、Author もついでに変更する場合は以下のコマンドを入力します。
git commit --amend --author="tkgstrator <nasawake.am@gmail.com>"
git rebase --continue
# 過去のコミット全てを一括変更
既にプッシュしたコミット全ての Commiter と Author を変更するコマンドは以下の通り。
git filter-branch -f --env-filter "GIT_AUTHOR_NAME='tkgstrator'; GIT_AUTHOR_EMAIL='nasawake.am@gmail.com'; GIT_COMMITTER_NAME='tkgstrator'; GIT_COMMITTER_EMAIL='nasawake.am@gmail.com';" HEAD
既にプッシュしたコミットを変更するので、強制上書きできるように、
git push -f
と--force
オプションを付けるようにしましょう。
参考文献
# フォーク元から最新のデータを取得
GitHub でレポジトリをフォークし、それを Clone した場合にはgit pull
をしても自身のレポジトリから最も新しいコミットを取得してきてしまいます。
フォーク元がガンガン開発を進めている場合、フォーク元の最新コミットを取得したいというケースがあります。
git remote add upstream <GitHub Repository>
その場合はレポジトリに対してフォーク元のレポジトリをupstream
として設定してあげればよいです。
こうすれば普段の Push は自分のフォークしたレポジトリに対して行われますが、最新の内容をフォーク元から取得する場合には、
git fetch upstream
git merge upsttream/master
で行なうことができるようになります。もちろんmaster
ブランチ以外を反映させたい場合は適時コマンドの内容を変更してください。
参考文献
# 役立つコマンド集
# 最新の内容を反映
作業ブランチでいろいろ作業していたものの、その間にmaster
ブランチも進んでいたのでその差分を取り込みたい場合があります。
git checkout master
git pull origin master
まずはこのコマンドでリモートのmaster
ブランチの内容を取得し、その内容をローカルのmaster
ブランチに反映させます。
これで、ローカルのmaster
はリモートのmaster
と全く同一のものになりました。
git checkout develop
git rebase master
次にmaster
ブランチの後ろにdevelop
がくるように変更します。こうすることで最後のmaster
の変更までを取り込んだ上でこれまでのdevelop
の作業がくっつくことになります。
結果として、現在の作業ブランチに最新のmaster
の内容が反映されたことになります。
# 指定したコミットの内容を反映
別ブランチの指定したコミットの内容を反映させます。
今回はdevelopA
の内容をdevelopB
に反映させたいと思います。
git checkout developA # ブランチを移動
git log # コミットのハッシュをチェック
まず、取り込みたい内容のハッシュをチェックします。
git checkout developB # ブランチを移動
git cherry-pick <HASH> # ハッシュを指定して取り込み